「主催者側のリスク」? ニュース記事に関連したブログ

2010/01/21 10:36

 

一見、よい制度のように思われますが、ここでいう展覧会の「主催者」とはいったいどなたをさすのでしょうか?

 

一般の方はご存じないと思いますが、主要都市の大型美術館を巡回する「ルー○ル美術館展」「ル○○ール展」など、有名どころの展覧会の実質的な主催者は、実は開催する美術館ではありません。

 

○日新聞社や○H○さんなど、「マスメディア」なのです。彼らが実質的に展覧会の経費を負担しており、そのうち、本記事にもあるとおり、保険料はかなりのパーセンテージを占めています。

 

当該制度によって、マスメディアさんは低予算で大型展を開催することができます。

それによって美術館が、よりよい展覧会を開催でき、お客さんに提供するのならばよしとしましょう。

 

また、もちろん「入館料」の値下げも当然ですよね?

 

先日ふれた「文化に関する世論調査」の「美術館・博物館に行きやすくなる事項」のうち、「入場料が安くなる」が35.7%を占めていることは、よもやお忘れではないでしょう・・・。

 

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関連ニュース

鈴木貴彦 トーク・ショー「アーティスト・ラン・スペースの可能性」

2010/01/20 18:53

 

鈴木貴彦 トーク・ショー「アーティスト・ラン・スペースの可能性」

 

日時:2010年2月5(金)日 19:00〜(18:30開場)

会場:梅香堂

機材協力:NPO法人プラス・アーツ

※参加無料

 

梅香堂では、台湾・台北を拠点として国際的に活動するアーティスト、鈴木貴彦のトーク・ショーを開催いたします。

 

鈴木貴彦は、1962年浜松生まれ、多摩美術大学油画専攻卒。インスタレーション作家。

1999年にアーティスト・ラン・スペースとして「改善(東京・湯島)」を設立。

その後2002年より、I.S.C.P(ニューヨーク)、Centro de Arte Contemporani Piramidon(バルセロナ)、Kunstepidemin(イエデポリ)、台北国際藝術村(台北)、A.I.R. Antwerpen(アントワープ)、嘉義鐵道芸術村 (嘉義・台湾)、435(板橋・台湾)、IASKA(パース・オーストラリア)などでアーティスト・イン・レジデンス。

2008年より台北でユニークなアーティスト・ラン・スペース「一年畫廊」を共同で運営中。

 

トーク・ショーでは、「一年畫廊」の活動や、鈴木貴彦の現在進行中のプロジェクト「global-store.info」などをご報告いたします。

終了後、ささやかな交流会も開催します(差し入れ歓迎)

お気軽においで下さい。

 

 鈴木貴彦 <http://nonprofitgallery.com/suzuki/>

 一年畫廊 <http://1yeargallery.com/>

 global-store.info <http://global-store.info/>

 

 

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祝!100,000アクセス/イヴェントのお知らせ

2010/01/20 18:43

 

昨日、本ブログへのアクセス数が累計100,000を超えました。

昨年五月よりはじめて約九ヶ月間。

これが多いのか少ないのかわかりませんが、ご覧いただいているみなさんに御礼申し上げます。

 

コメントが少ないため、いったいどのようなエントリが人気があるのか、どのような内容を投稿してほしいのかなど、みなさんのリクエストはほとんどわかりません・・・。

日々思いつき&備忘録としてつらつら書いていますが、今後ともよろしくお願いいたします。

 

また、2月5(金)日にイヴェント;

 

鈴木貴彦 トーク・ショー「アーティスト・ラン・スペースの可能性」

 

を開催いたします。詳細は「展覧会のお知らせ」をご覧下さい。

メールニュースでもお知らせいたしますので、重複した場合はご容赦下さい。

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お悔やみ(山口光子さん)

2010/01/20 10:31

 

訃報:山口光子さん67歳=ギャラリー山口社長

 

山口光子さん67歳(やまぐち・みつこ=ギャラリー山口社長)15日死去。葬儀は親族で済ませた。連絡先は東京都中央区京橋3の5の3のギャラリー山口(03・3564・6167)。

80年、東京・銀座に現代美術専門のギャラリーとして開廊。95年、現在地へ移転した。画家の野見山暁治さんや篠原有司男(うしお)さん、堀浩哉(こうさい)さんらベテラン作家の個展を数多く開催。若手アーティストも積極的に紹介してきた。同ギャラリーは今月末で閉廊が決まっていた。

毎日新聞 2010年1月19日 21時14分(最終更新 1月19日 22時54分)

 

ご冥福をお祈りいたします。ギャラリー山口さんは、オーソドックスな現代美術ギャラリーの代表格でした。昔何度かお邪魔したことがあります。山口さんは気さくで素敵な方でした。

 

戦前より活動された村松画廊さんが昨年末で閉廊されるなど、このところ銀座周辺の老舗現代美術画廊さんの撤退が相次いでいます。

 

これは直接的には昨今の不況の影響によるものなのでしょうが、1980〜1990年代、すなわち20世紀末のモダニズム、ポスト・モダニズム芸術の終焉も意味するものでしょう。

 

また、銀座という高コストな立地で、企画と貸しスペースを並行し、作家とは末永くつきあって行く、という運営スタイルが、時代にそぐわなくなったのかも知れません。

かつて、芸大美大生は先を争って銀座の貸しスペースで個展などを行ないましたが、近年の学生は在学中に新興コマーシャル・ギャラリーに青田刈りされ、ガンガン売り出されて、消耗されていきます。

 

古きよき、良識とつつましさある老舗画廊さんたちは、こうした時代の流れについて行けなかった(行かなかった)とも言えるでしょうか。こうした画廊のお客さん(お得意さん)たちの高齢化も一因でしょう。

 

彦坂尚嘉さんのブログにあるとおり;

 

「ここ1年、いくつもの画廊から同じ話を聞いていますが、

画廊に人が来なくなっているのです。

ギャラリー山口を閉じられる事は、誠に残念ですが、時代の激流の、

なせるわざです。

 

他の画廊も苦境に立っています。

この一年、いろいろな画廊と話していますが、どこも苦しい様です。

画廊の時代が終わるのです。

ひとつの時代が終わるのです。」

 

かも知れませんね・・・。

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文化に関する世論調査

2010/01/19 17:30

 

昨年11月に調査した、内閣府の「文化に関する世論調査」の結果が公表されています。

 

「へ〜」と驚くような意外な結果はありませんが、じっくり見ていくとけっこうおもしろい。それは「設問項目」の変遷です(文化庁さんの戦略?)。平成八年度平成十五年度の同世論調査の設問と比較してみると、注目されるのは今回、「子どもの文化芸術体験」が大項目としてあげらられていることでしょうか。

 

(1) 20歳未満の子どもの有無

 「いる」(28.4%)

 「いない」(71.6%)

 

 ア 子どもの文化芸術体験

 「学校における公演などの鑑賞体験」(59.0%)

 「音楽,舞踊,華道,茶道,書道などの習い事」(45.4%)

 「ホール・劇場や美術館・博物館など地域の文化施設における,鑑賞や学習」(44.6%)

 「地域の芸能や祭りへの参加」(41.4%)

 「学校における演劇などの創作体験」(39.8%)

 「歴史的な建物や遺跡などの見学」(37.6%)

 「音楽祭や演劇祭など,地域で行われる文化的行事への参加」(36.6%)など

 

(2) 子どもの文化芸術体験の重要度

 「重要である」(93.1%)

 「重要ではない」(2.1%)

 

 ア 子どもの文化芸術体験に重要な事項

 「学校における公演などの鑑賞体験を充実させる」(58.3%)

 「ホール・劇場や美術館・博物館など地域の文化施設における,子ども向けの鑑賞機会や学習機会を充実させる」(49.5%)

 「地域の祭りなど,地域に密着した伝統的な文化体験の機会をより多く提供する」(46.0%)

 「音楽祭や演劇祭など,地域で文化的行事を開催し,文化芸術に親しむきっかけを提供する」(41.0%)

 「歴史的な建物や遺跡などについて学習する機会を充実させる」(39.9%)

 「学校における演劇などの創作体験を充実させる」(38.1%)

 (複数回答,上位6項目)

 

(3) 子どもの文化芸術体験の効果

 「日本の文化を知り,国や地域に対する愛着を持つようになる」(60.2%)

 「美しさなどへの感性が育まれる」(51.9%)

 「他者の気持ちを理解したり想像するようになる」(38.6%)

 「コミュニケーション能力が高まる」(37.9%)

 「他国の人々や文化への関心が高まる」(35.7%)

 (複数回答,上位5項目)

 

う〜ん、世のお父さん、お母さん方は「子どもの文化芸術体験」へ、深いご理解とご期待があるようですが、まったく行動がともなっていないように感じるのは私一人でしょうか・・・。

 

 

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27(リピーター・・・)

2010/01/18 20:00

 

三時ころ何だか一階が騒がしいので、のぞいて見ると子どもが二人。「二階に上がってもええか〜」と。

二人に下道君の作品を説明。小学校二年生です。

 

「戦争って知ってる?」「うん」「みんなのおじいちゃんのお父さんは戦争に行ったかも」「おじいちゃんが戦争の話しとった」「そうか」「戦争ってどうやってするん?」「飛行機から爆弾を落としたり、鉄砲で撃ち合ったり」「ふ〜ん」「このあたりも戦争の時爆弾で全部燃えたんだよ」「戦争でみんな死んだん?」「いや、みんな死んだら今ここに二人はいないだろ?」「そうやな・・・」

 

中々熱心です。帰りに一階で「おっちゃん、どうもありがとう。電気点いてるで〜」と、照明まで消していってくれました・・・。

 

その後、以前おいで下さったお客さんがまたいらして、作品集をお買い上げ下さいました(これで下道君の作品集の残部は三冊です)。ありがとうございました。

 

そのお客さんとお話ししていると、またまた一階が騒がしい。見るとさっきの子ども二人が友だちを連れて「おっちゃん、また来たで〜」と再来です。五人で上がってきたので、あわてて吹き抜けの穴を閉じました。「この写真は八尾なんやで!」など、わいわい元気です。子どもは何にでも好奇心旺盛。このあたりの子どもたちはとくにそう感じさせます。車に気をつけて・・・。

 

夕方、新聞記事を見てわざわざ和歌山から車で来られたお客さんが。ご自分でも写真を撮っておられるそう。ダンスにも関心があるそうで、たまたま来られたYangjahさんと意気投合のご様子でした。遠路ありがとうございます。

 

いろんなお客さんが来られますね・・・。私としては、じわじわと?リピーターのお客さんが増えてきたことがうれしいです。

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「吉備大臣入唐絵巻」が・・・ ニュース記事に関連したブログ

2010/01/18 15:44

 

今年は平城遷都千三百年ということで、奈良ではイヴェント目白押しだそうです。

大阪にいると「せんとくん」という微妙なキャラによく出会います。

 

奈良国立博物館では4月3日より「大遣唐使展」が開催されるそうですが、注目すべきは「吉備大臣入唐絵巻」の里帰りです。確か東京国立博物館で2000年に開催された「日本国宝展」に一巻展示された以来ではないでしょうか。

 

私はボストン美術館の常設展で見たような記憶があるのですが(定かではない・・・)、日本で見るチャンスは初めてです。

 

俗に平安末期の「源氏物語絵巻」「伴大納言絵巻」「信貴山縁起」「鳥獣人物戯画」を「四大絵巻」と称しますが、私見では華美ですが形式化が認められる「源氏物語絵巻」を除外し、「吉備大臣入唐絵巻」を加えるべきでしょう。奇想天外な物語と呼応した、大胆な構図、ダイナミックでのびやかな描線、洗練さと素朴さを併せ持つ賦彩など、申し分ない傑作です。

 

個人的にはこの時期の絵巻物は、人類が産み出した絵画作品の頂点の一つだと思います。もちろん、日本絵画の最高峰でしょう。日本の仏画や水墨画などは、しょせん中国絵画には及びません。これ一点で、凡百の国内美術館すべてのコレクションを凌駕する存在といえるでしょう。

 

本作は昭和7(1932)年に、若狭の酒井家よりボストン美術館に売却されたものですが、いくら昭和恐慌の最中とはいえ、これをみすみす流失させた国家、富裕層そして美術関係者の責は重い。

 

吉備真備は伝説的な学者ですが、物語ではまさに「超能力者」として描かれています。阿倍仲麻呂の生霊とともに空を飛ぶ真備。

 

 

カッコいい、カッコよすぎです。古代の日本人とは何と大らかな感性を持っていたのでしょう。しびれます。

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関連ニュース

26(やっぱり寒い・・・)

2010/01/17 20:04

 

寒波の峠は過ぎたらしいですが、今朝の大阪の最低気温は-1.6℃。けっこう冷えました。

日が暮れると、下半身が寒いので梅香堂の中を歩き回っています。

 

寒さに耐えられず、隣のスペースのエアコンもつけました(設定温度16℃ですが・・・)。

このダイキンさん業務用エアコン(中古)は、阪神・淡路大震災仮設住宅に使われていたものらしいです。

 

今日はS館長が、高知のART NPO TACOのMさんをお連れして見えました。Mさんは下道君の作品に興味津々。写真集もお買いいただきました。ありがとうございます。おもしろいスペースも運営されていますね(何だかちょっと親近感があります・・・)。ぜひ、高知でも下道君の作品をご紹介下さい。

お帰りの飛行機の時間もあり、慌ただしかったのが残念です。S館長もまたごゆっくり。

 

そういえば、阪神・淡路大震災の時、S館長は神戸の近くの美術館に勤務されていました。当日、何時間もかかって美術館にたどり着いたそうですが、美術館の被害より、周辺の被害に愕然となったそうです。

その後、消防(救急?自衛隊?)の方が美術館に見えて、「遺体の仮安置場として美術館を使わせてほしい」と頼まれたそうです。S館長は諸事情でお断りしたそうですが、今でもそれを後悔されているのだそう(確かそうでしたよね?)。

 

災害の際の避難所に、学校の体育館などが指定されている場合はよくありますが、美術館・博物館が指定されている地域はあるのでしょうか。高額な税金を投じて贅沢な設計がなされ、防災対策も万全な美術館・博物館は、体育館より安全な避難所のように思えます。

 

本日はほかにご近所の方など数名のお客さんが見えました。ありがとうございました。下道君の展覧会も、残りあと10日(開堂日数)となりました。お見逃しなきよう・・・。

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乾燥注意報

2010/01/17 17:46

 

北日本や日本海側と異なり、大阪の冬は乾燥しています(こんなに乾燥するとは知らなかった)。

連日の乾燥注意報です。

 

F市の実家で眠っていた加湿器を梅香堂に持ってきました。病弱だった母は、こうした健康器具?が好きで、いろいろ買い求めたようです。そんなに古い機種ではありませんね。

 

 

電気代がもったいない(最大367W!)ので、ほとんど使っていませんが、水タンクが数日で空になるので、「おや?」と思ってよく見ると、これは加熱式と気化式のいわゆるハイブリッドタイプでした。

 

加熱式は文字通り、水を加熱して水蒸気を発生させるものです。このタイプの長所は、加湿力が大なこと、静粛、加熱するため水の殺菌作用があること、水蒸気=湯気なので、多少室温が上昇することでしょうか(冬場)。短所は、加湿が過ぎる傾向があること、電気代がかかること、夏場には室温上昇はマイナスとなることです。

 

気化式は、フィルタやスポンジ状の装置に水を湿らせ、そこに風を送って(自然気化式もあります)加湿します。長所は、加湿がおだやか、室温上昇なし(やや低下)、電気代が比較的安いこと。短所は加湿力が小、ファンの音がする、フィルタなどが汚染されると不衛生、などです。

 

ハイブリッド式はこの両者の長所を兼ねたものらしいです。比較的高湿の場合は気化式のみ作動、低湿の場合は気化式+加熱式となります。本機は電源を入れなくても、フィルタに滲みた水が自然に気化するので、タンクの水がなくなっていたのですね。

 

冬場の湿度管理というのは、本格的な施設でも難しいものです。問題は温度と湿度の相関関係にあります。

 

基本的に、気密性の高い室内の場合、温度が上がれば(相対)湿度は低下します。乾燥地域のマンションなどで、冬場エアコンを効かせると湿度は30%以下に低下します。そこでガンガンに加湿器を作動させて湿度を50%に上げたとします。この状態でお休みするためエアコンを停止すると、室温低下>湿度上昇となります。

 

注意したいのは、室内の湿度が50%であっても「結露」は起こりうるということです。窓、天井など外気の影響を受けるところは室温よりかなり低いためです。

 

この場合、結露を防ぐためには、24時間エアコンを作動させる、断熱を完璧に行なう、室温を外気温に近くするなどの対策がありますが、いずれも簡単ではないですよね。

近年の高気密住宅では、このあたりの対策はおこなわれているはずですが、どうなのでしょうか。

 

湿度(管理)の話は長くなるので、いずれまた。

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合掌

2010/01/17 10:58

 

阪神・淡路大震災から15年。そして最近も、ハイチの大地震で多くの方々が被災されました。

 

阪神・淡路大震災では、美術館・博物館、文化財にも大きな被害が出ました。

美術館・博物館は、本来あちこちに散在している作品、資料を一カ所に集中させて管理するところです。

そのため、もしそこに被害があれば、ダメージも集中的となります。

 

神戸市立博物館さんHPの「震災と博物館」をぜひ一度ご覧下さい。

 

同大震災以降、日本の美術館・博物館の地震対策は向上したと言われますが、問題は残っています。なぜならば、地震対策と作品の活用(展示公開など)は、相反するところがあるためです。収蔵庫などでは、かなりの地震対策が可能ですが、展示室、とくにテンポラリーな特別展などでは十分ではありません。仮設の壁面や展示ケースは耐震免震ともに配慮がなされたものは少ないです。

 

たとえば、仏像は収蔵庫では壁面近くに置き、転倒防止のストラップをかけることができます。ところが、特別展で仏像を展示する縦型のガラスケースは、非常に重く、かつ重心が高いものが多い。それを移動可能とするために底部にキャスターなどを設けますが、簡単なストッパーなど大地震には無意味で、大きく移動、転倒してしまいます。仏像の破損を増大させるとともに、観客にも凶器となりかねません。しかし、展示ケースを床の基礎に固定したり、天井の梁から揺れ止めを行なうことなどは、まずなされません。

 

一般の方は意識されませんが、文化財に限らず、資料の活用と保存は基本的に矛盾するのです。

 

われわれはつねにリスクを抱えながら生きていますが、日本人はリスク・マネジメント意識が低いとも言われます。地震のような強大な自然の力に翻弄され、お手上げ状態で生きてきたからでしょうか・・・。

 

脱線しました。そういえば寺田寅彦に「国防と防災」という名文があります。ちょっと古いですが、このような時代の、今日の日にこそふさわしいかもしれませんね。

 

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